フリーランスエンジニアの仕事の断り方6選

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フリーランスとして働いていると、不思議なことに、忙しいときに限ってどんどん新しい仕事の依頼が舞いこんできます。
過去に取引のあるクライアントからのリピート依頼はもちろん、ブログなどに公開している実績を見て問い合わせてくれた新規クライアントの案件などもあったり。仕事の内容もさまざまです。

わざわざ依頼いただいているのでできることなら請けたいところですが、状況的に難しかったり、嫌な予感のする内容だったり、あるいは単に気が進まなかったりと、お断りしないといけないケースがあります。

今回はそんなときの上手な断り方をお伝えします。

フリーランスエンジニアの仕事の断り方

結論として、基本的には次の考え方でよいです。

  • 本当のことを伝える
  • ただし、二度と関わりたくないクライアントであれば適当な理由を付けてよい
  • 今後も関係を保ちたいクライアントであれば交渉の余地を残すのもあり

前提:仕事を断るタイミング

基本的に「契約を締結する前」であることが大前提です。

  • 仕事を依頼されたとき
  • 提案を依頼された時
  • 見積り・条件交渉中

契約を締結した後に断るとなるとクライアント含む関係各所に迷惑がかかりますし、損害賠償を請求される可能性もあります。当然あなたの評判も下がります。
こうなってしまったら「どうやったら最後まで終えることができるか」という方に考えをシフトすべきでしょう。

仕事を断る理由と具体的な断り方

そもそもなぜその仕事を断ろうとしているのかを整理しながら、それぞれの断り方の例を挙げてみます。

1. 単純に忙しくて時間が取れない

これはシンプルですね。
時間は有限ですので、基本的には断るべきです。

どうしてもやりたい仕事であれば、ダメ元で時期をずらして対応することが可能か聞いてみましょう。

断り方の例

  • あいにくその時期は既に別のお客さまとの契約がありまして、お引き受けすることができません。
  • ありがたいことに現在2つの案件を並行しており時間を確保することが難しい状況です。来月後半からであれば着手可能な見込みですが、それでは遅いでしょうか?

2. 安すぎ

「当社の顧客管理システムを作ってください。予算は1万円です」

予算感が想定とあまりにかけ離れている場合、たとえ請けたとしてもお互いが不幸になることが目に見えています。断るべきでしょう。

補足

こういう場合、依頼側は悪意があったり搾取しようとしているわけではなく、単にシステム開発に対する理解不足で常識はずれの金額を提示してきている可能性もあります。
クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングではこのようなクライアントは珍しくありません。

断り方の例

  • その内容ですと、概算ですが○○円からxx円ほどになる見込みです。内訳は…(省略)。想定されているご予算とは大きな乖離があるようですので私がお請けするのは難しそうです。
  • 過去に同等のシステムを構築した実績があり、それらはおよそ○○円でお請けしました。想定されているご予算(以下略)

3. 値引きを要求される

これは私の個人的なポリシーになるのですが、「内容の変更を伴わない」 値引きには基本的に対応しません。
自分の仕事の価値を自ら下げることになりますし、なによりこれまで値引きをしなかったクライアントに対してフェアではないと感じるからです。

とはいえ、「予算の都合上どうしても○○円が精一杯です。あと少しだけなんとかなりませんか」などと頼まれることもあります。その場合は内容を変更します。

  • 作業範囲を減らす。たとえば要件定義を作業対象外とし、それはクライアントに責任を持ってやってもらうなど。
  • 実現機能を縮小する。たとえば、「決済機能」や「マスタメンテナンス機能」を開発対象外とするなど。
  • 成果物のレベルを下げる。たとえば「操作マニュアル」は清書せずWikiなどに箇条書きで記載する程度に留めるなど。

断り方の例

  • 申し訳ありませんが、お値引きはできかねます。次のような内容であればご予算内で対応できるかもしれません。 (作業範囲を減らす、実現機能を縮小する、成果物のレベルを下げる、などの説明を入れる)

4. 自分の得意分野ではない

たとえば、Webデザインとコーディングが得意なあなたにWebディレクションの仕事依頼が来た、というケースです。

将来に向けて仕事の幅を広げるという意味では大きなチャンスと捉えることもできますが、自分の「今の」得意分野だけで勝負したいという人もいるはずです。
その場合は「自分のスキルにはマッチしない」ということを素直に伝えてお断りすべきでしょう。
ただ断るだけではなく、知り合いのフリーランスや会社などを代わりに紹介できると喜ばれるかもしれませんね。

断り方の例

  • ありがたいご依頼ではありますが私のスキルとはマッチしていないようです。お請けしてご迷惑をおかけするといけませんので今回はお断りさせてください。
  • 非常に興味深いお話ですが、現在はWebデザインのお仕事を中心に活動しておりますのでお請けすることができません。代わりと言ってはなんですが、その分野の実績が豊富な知り合いが何人かおりますので、もしご興味があればご紹介することはできます。

5. コミュニケーションに不安を感じる

  • メールやチャットで送られてくる内容が日本語的によくわからない
  • 質問に答えてくれない
  • 常に即レスを要求される

率直に言って、このようなクライアントとの仕事は本質的でない部分で消耗することが多いです。そこに興味が持てないならお断りするのが無難でしょう。

断り方の例

このケースでは将来的にもこのクライアントと関わることはないでしょうから、忙しくて時間が取れないとか他の仕事が先に決まってしまったとか、何かしら理由をつけて断るのでよいと思います。

あるいは、これはあまりおすすめしませんが、普段の見積りよりもかなり大きめのバッファをのせて提案して予算の折り合いが付かない状態を作り出し、結果的に失注する、という手段もあります。
ただ、予想外に提案が通って受注してしまう可能性もあるので、繰り返しますがあまりおすすめしません。

6. なんとなくやな予感がする

感覚的なものだったりするので説明が難しいのですが、たとえば

  • 仕事に対する考え方が合わなそう
  • なんとなく気が合わなそう
  • 法に触れるリスクがありそう
  • 倫理的に問題がありそう
  • 社名でググったら悪評ばかり

などです。お断りするのが無難と思います。

断り方の例

「6. コミュニケーションに不安を感じる」と同じです。

まとめ

改めて、基本的な考え方を繰り返します。

  • 本当のことを伝える
  • ただし、二度と関わりたくないクライアントであれば適当な理由を付けてよい
  • 今後も関係を保ちたいクライアントであれば交渉の余地を残すのもあり

フリーランスとしての活動歴が浅いときや仕事が少ないときには特に、せっかくの依頼を断るのはもったいないと感じてしまうかもしれません。

気持ちを切り替えて、別の仕事を獲得することに注力しましょう。

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